Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
永野 哲志; 三田村 久吉; 中山 真一; 中嶋 悟*
Clays and Clay Minerals, 47(6), p.748 - 754, 1999/00
被引用回数:16 パーセンタイル:44.57(Chemistry, Physical)岩石中に風化生成物として生成する鉄鉱物による放射性核種の固定機構を調べるために、ネオジムと鉄との共沈・結晶化の実験を行った。ネオジムはアメリシウムなど3価のTRU元素と類似の化学的挙動をとるとされる元素である。非晶質の水酸化鉄中に安定に保持されたネオジムは、鉄鉱物の結晶化に伴い赤鉄鉱の結晶格子中に取り込まれることはあるものの、概して、非晶質相にとどまったまま鉄鉱物の結晶化を妨げる効果を持つことが示された。放射性廃棄物の地中処分においては、鉄鋼物は人工バリア材の腐食生成物としても生成されるため、本研究で得られた結果は処分場周辺で想定される腐食生成物と核種との相互作用を調べる研究にも役立つであろう。
佐藤 努; 柳瀬 信之; I.S.Williams*; W.Compston*; M.Zaw*; T.E.Payne*; P.L.Airey*
Radiochimica Acta, 82, p.335 - 340, 1998/00
クンガラウラン鉱床の風化岩石中でのウラン系列核種の年代測定と再分配機構を調べるために、高分解能イオンプローブ(SHRIMPII)によるウラン同位体その場分析を行った。分析した風化岩石は、地下水によって流出したウランを多く保持している二次鉱床中心部の試料で、主に鉄鉱物、カオリナイト、石英からなる。分析は、それぞれの鉱物中の直径30ミクロンのスポット数か所において行われた。その結果、鉄鉱物中のU/U放射能比は、5段階抽出法(SE)で求めたものとほぼ一致するが、それと近接するカオリナイト・石英中の比は、SEよりも高い値を示した。これは、反跳によるThの鉄鉱物から隣接するカオリナイト・石英への移動によるものと結論づけた。SEから得たデータは間接的な証拠であるのに対して、SHRIMPによる測定は直接的なその場のデータであるので、本研究により初めて反跳の直接的な証拠が示されたことになる。
大貫 敏彦; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 磯部 博志; 永野 哲志; 坂本 義昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(12), p.1153 - 1158, 1997/12
被引用回数:26 パーセンタイル:86.43(Nuclear Science & Technology)非晶質鉄鉱物の結晶化過程におけるウランの再分配挙動を、選択的抽出法により検討した。硝酸鉄溶液中に1mg・l1のウランを混合し、PHを6.5に調整して得た初期の沈澱は、全てTAO溶液により溶解した。また、溶液中のウラン濃度は1%以下であった。このことは、ほとんどのウランが非晶質の鉄鉱物に吸着していることを示している。鉄とウランの沈澱は、時間の経過とともに一部がTAO溶液では溶けないで残った。この場合、TAO溶液により抽出されるウランの量は、残査沈澱物の量が増えるに伴い減少した。溶液中のウランの濃度はやはり1%以下であった。これらの結果から、非晶質鉄鉱物の結晶化過程において、ウランは溶液中にはき出されず、結晶質および非晶質の鉄鉱物に吸着していることがわかった。
佐藤 努; 村上 隆*; 柳瀬 信之; 磯部 博志; T.E.Payne*; P.L.Airey*
Environmental Science & Technology, 31(10), p.2854 - 2858, 1997/00
被引用回数:81 パーセンタイル:88.49(Engineering, Environmental)地下環境におけるウランの移動と遅延の機構を研究することは、ウランの探査、ウラン鉱山の環境管理、放射性廃棄物の処分などにとって重要である。地下水中のウランの鉄鉱物相による除去について多く研究されているが、亀裂充填、被覆(コーティング)、海流瘤塊(ノジュール)などの形態によるウランの取り込み量の違いの研究は少ない。クンガラウラン鉱床では、地下水によって運ばれるウランが鉄ノジュールに非常に濃縮されることが分かった。鉄ノジュールのウラン濃度はUOとして8重量パーセントと地下水より6桁も高く、他の形態の鉄鋼物におけるウラン濃度よりも1桁高い。鉄ノジュールの大きなウラン含有量から、クンガラでは鉄ノジュールがウランの固定に重要な役割をしていると考えられる。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 磯部 博志; 関根 敬一
放射性廃棄物研究, 2(1-2), p.121 - 135, 1996/02
クンガラウラン鉱床を用いたナチュラルアナログ研究において、岩石中のウランの分布を明らかにするために、逐次選択的抽出法を適用した。対象とした抽出相は、吸着、非晶質鉄鉱物、結晶質鉄鉱物、緑泥石および残査鉱物相である。風化帯では、大部分のウランが結晶質鉄鉱物と共存しており、非風化帯の鉱床付近ではウラン鉱物としてウランが存在していた。非風化帯の地下水流の下流側では鉱床起源のウランは少なかった。また、各抽出相のU/U放射能比から、微視的に残査鉱物が鉄鉱物に覆われている状態で反跳が起こることが原因と考えられる残査鉱物相へのUの濃集が認められた。
村上 隆*; 磯部 博志; 佐藤 努; 大貫 敏彦
Clays and Clay Minerals, 44(2), p.244 - 256, 1996/00
被引用回数:55 パーセンタイル:84.77(Chemistry, Physical)オーストラリア、クンガラウラン鉱床におけるウランの再分配機構解明のため、鉱床周辺地域の母岩中に含まれる緑泥石の風化過程について調べた。その結果、緑泥石は風化が進行するにつれて、緑泥石/バーミキュライト混合層鉱物、バーミキュライト、カオリナイトと変化し、その変化の過程で、鉄やマグネシウムを容脱していることが明らかとなった。また、ここで溶脱された鉄は、鉱物粒子間や片理に鉄鉱物として再結晶化し、固化帯における主成分鉱物にまで進化していることも明らかとなった。放射性核種の地層中での移行を定量的に評価する場合には、本研究で示されるような地質学的な時間スケールでの鉱物の変質を十分考慮する必要があると考えられる。
小口 千明*; 磯部 博志; 小室 光世*; 松倉 公憲*
Annual Report of the Institute of Geoscience,Univ. of Tsukuba,No. 21, p.9 - 13, 1995/12
阿蘇火山の安山岩は、火山ガスの噴出による酸性環境の影響を受け、表面に風化皮殻が形成している。変質は、鉱物の硬度などにも現れているが、今回、顕微分光計による試料断面の色測定によって風化皮殻の構造を調べた。その結果、脱色による反射率の増加が、鉄鉱物の析出による赤褐色よりも内部まで進行していることが見いだされた。これは、脱色現象が、変質鉱物の析出よりも早く進行することを示しており、鉱物の変質現象の観察における顕微分光測定の有効性の一例を示している。
磯部 博志; 大貫 敏彦; 村上 隆*; F.G.Lafaye*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.1211 - 1218, 1995/00
アフリカ,ガボンのオクロ地域は、世界で唯一天然で核分裂連鎖反応が起こったウラン鉱床の存在で知られている。原子炉ゾーンのうちのいくつかは地表から浅い位置にあり、風化に伴う酸化を受けている。オクロ鉱床は核分裂生成物を含む核種の移行挙動を理解するために重要なナチュラルアナログ研究サイトである。今回、オクロの原子炉ゾーン2の試料について、酸化に伴う生成物とウランの分布の関係について調べた。原子炉炉心ゾーン近傍の主に雲母から成る層では、雲母中で独立した粒子状を示す物と、それらを横切る脈状の2種類の酸化鉄鉱物が観察された。これらには、結晶度、ウラン量などに違いが見られ、生成時の地下水組成などに違いがあったと思われる。また、酸化チタンや硫化鉄の周囲にもウラン鉱物が存在し、これらの鉱物による局部的な効果がウランの固定に影響を与えていることが観察された。
妹尾 宗明
Isotope News, 0(7), p.14 - 15, 1994/00
原研ではカナダAECLとの協力研究により、カナダマニトバ州に開設されている地下研究施設においてTRU核種の移行研究を行ってきた。実験は同施設の地下240mレベルに設けられた専用の実験室内の雰囲気制御されたチャンバー内で行われ、付近の亀裂帯から採取した挟在物及び地下水を用いて行われた。試験の結果、地下実験と並行して行われたバッチ実験の結果と比較して、非常に大きな遅延が見られた。大きな遅延を示した主な原因は、黒雲母等の含鉄鉱物による吸着と考えられ、今後の研究として、原子価が酸化還元条件の影響を受け易い元素については還元反応と吸着反応との関連を明らかにするための研究及び中性領域での希薄培液での化学形に関する研究が重要である。
大貫 敏彦
Int. Workshop on Research & Development of Geological Disposal,Proc. of Technical Session, 0, p.I.95 - I.104, 1993/00
長期のアクチニドの移行に影響を及ぼす地球化学的プロセス、つまり岩石-水反応について、オーストラリア、クンガラウラン鉱床において研究した。クンガラでは母岩中の緑泥石がバーミキュライトを経て、カオリナイトに変質していることが明らかとなった。また、この際鉄鉱物が析出していた。ウラン系列核種移行には、緑泥石の変質が影響し、ウランの多くは鉄鉱物とともに存在していた。ウランの存在形態を可視光分析により検討したところ、ウランリン酸塩鉱物である、サレアイトとして鉄鉱物表面に沈着していることが明らかとなった。このことから、緑泥石変質過程中のウランの再分配機構を明らかにした。
村上 隆; 磯部 博志; 永野 哲志; 中島 悟*
Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 257, p.473 - 480, 1992/00
オーストラリア、クーンガラ地方におけるウランの再分配と固定化に関連し、ウランがどのような形態で鉱物組織中にどのように結びつけられているかを電子線微小部分析法、顕微可視分光法等で調べた。母岩が完全に変質する前の段階では主要なウランの分布は割れ目中に起こっている。ウランがウラニルリン酸塩としてゲータイトと共に存在していたことから、又、ゲータイトはフェリハイデライト(緑泥石変質の直接の副産物)から短期間に転移することから、クーンガラの地下水に飽和しているSaleeite(ウラニルリン酸塩)がフェリハイデライトに吸着され、フェリハイデライトの結晶化の過程でゲータイト中に固定されるウランの固定化機構が推定された。